2016 #4 杉下智彦さん【本当に豊かな暮らしとは】

4月のお江戸百年塾は、国際協力機構(JICA) 国際協力専門員

保健分野課題アドバイザーの杉下智彦さんをお迎えします。

 

世界では1年間に35万8千人以上の妊産婦が死亡し、その99%が途上国の女性です。

 

病院でいくら待っても診察してもらえない・帝王切開の緊急手術が必要でもバスに乗って自力で病院へ向かわなければならない・出産できても6時間後には赤ちゃんを抱いて退院しなければならない、こんな現状に、その多くの女性が医師や助産師の立会いのない自宅で出産をする苛酷な状況におかれているからです。

 

その改善に向け、保健医療サービスへのアクセスをはじめ、医療施設がうまく機能する仕組みづくりや医師・看護師・保健行政官の人材育成を担うJICAの開発協力の一つである保健システム強化プロジェクトの陰にこの人ありといわれたのが、杉下智彦さんです。

 

研修医時代、アフリカに行くために、外科、救急、産婦人科、泌尿器科、整形外科、内科、小児科すべてを学び、なお、多忙を極めた心臓外科医としての高いスキルを以ってしても限界を感じたアフリカの現実。特に、アフリカの伝統医療を理解しようと祈祷師(ウィッチドクター)のところに通いつめ、どんな治療をしているのか、どういう薬を処方しているのかを聞いて回わったDr.杉下だからこそ知り得た「妖術世界」の話は、他では聞く機会がないと思われます。絶好のチャンスです!

 

特有の世界観に源流を持つものがあることに気づいたという杉下智彦さんの会に、ぜひ、ご参加ください。

杉下智彦さんからのコメント

「アフリカの妖術世界に出会って人生が愉快になりました!」

 

「アフリカの太鼓は人を殺すことができる・・」なんて聞くとびっくりするかもしれませんが、あるんです・・本当に。20年前、私が青年海外協力隊員として赴任したマラウイでは妖術と言われる呪いの文化が生活の中に息づいていました。当時、HIVエイズ感染がピークを迎え、成人の約3割が感染者という最悪の事態を迎えていましたマラウイ。400床の病院には1000人以上の患者さんが入院しており、足の踏み場もない、薬もない、検査もできない、看護婦さんもいない・・と野戦病院さながらの状況でした。3年間で執刀した手術は3000例にもなり、それこそ病院に住み込む毎日。そんな現代医療の敗北の中で、人々が信じたのは「妖術世界」。まさに病院は、様々な呪いや儀礼の実践が集まる場所として、毎日が驚愕の連続でした。「病院から村に出て人々の真の暮らしに触れてみよう」、と思い、ある伝統医に弟子入りして、貧しいけれど心の豊かな世界があることを教えてもらいました。あれから約20年、あのときの感動が忘れられず、アフリカ20か国で医療活動の支援を行ってきました。2年前より、アフリカで20年間活動してきた経験とネットワークを基盤に、出産の原点に立ち返り、安全な自然分娩を促進する民間クリニックを支援する活動を行っています。ある意味、アフリカの人たちへの恩返しでもあります。「健康で美しい」女性のエンパワメントを通して、伝統的アフリカにある家族や社会の素晴らしい価値観を見直し、リバース・イノベーションとして日本や世界に発信していきたいと願っています。 4/6は、ぜひアフリカの奥深い話をご紹介しながら、皆さんと本当に豊かな暮らしとは何かを考えてみたいと思います。

概要

お江戸百年塾2016#4

 

「本当に豊かな暮らしとは」

  アフリカの呪いの文化から読み解く

 

開 催 4月6日(水)

時 間 18:00開場/18:30開演/20:40終演/21:00閉場

会 場 匠ソホラ青山 6階会議室

    (1階がコンビニのビルです)

    東京都港区赤坂8-5-32 田中駒ビル

    青山一丁目駅 A4南口より徒歩3分

参加費 8,000円 (事前のお振込にご協力をお願いします)

支払方法 銀行振込

 

お江戸百年塾

講師紹介

≪杉下智彦氏ご紹介≫

【所属】

国際協力機構(JICA) 国際協力専門員 保健課題アドバイザー

Senior Advisor, Japan International Cooperation Agency.

 

【略歴】

1990年東北大学医学部を卒業後、聖路加国際病院、東北大学病院などを経て、1995年から約3年間、青年海外協力隊に参加。マラウイ共和国の国立ゾンバ病院の外科医長として3年間に3000例を超える手術を行う。その後、ハーバード大学公衆衛生大学院、ロンドン大学大学院に留学。タンザニア共和国やケニア共和国の保健プロジェクトのチームリーダーを歴任。これまでアフリカを中心に30か国を越える途上国の保健政策支援などを行う。現在は、日本政府の保健外交戦略の実施促進、国際技術委員会や研究開発などへの技術貢献などを行う。世界ワクチン基金技術委員、野口英世アフリカ賞選考員、日本国際保健医療学会理事、各種学術誌審査委員。アフリカにおけるソーシャル・フランチャイジングによる助産院の社会起業を目指してプロボノ活動中。2014年夏ソーシャルビジネスグランプリ大賞受賞。