2015 #1 且田久美さん【配慮に名を借りた差別】

「とんでもない思い上がりをしているのかもしれない」


障碍者雇用の社会的課題は、ここ数十年ものあいだほとんど変化がないらしい。意外ではあるが障碍者雇用の足を引っぱるものは、実は障碍福祉にみられる善意、もしくは当事者たちが正しいと思っている古い価値観・制度や規制にあるようだ。


これらは、悪意でやっているわけではないので改善の可能性があるようにも思えるが、正しいと思っているだけに始末に負えないというのも事実だ。


では、障碍者雇用・障碍福祉の本質とは何だろう。


建て前を廃し、変革にもがいているプロジェクトめむろのリーダー

且田久美さん(ダックス四国/障碍者雇用責任者)をお迎えします。

どうしてこんな理不尽な日々に挑みつづけられるのか

その生きざまに学びます。


プロジェクトの道のりには、諦めないためのくじけない心が必要であり

これが人をうごかす大きな力になります。2月のお江戸百年塾は、

まさにその力に溢れる且田さんの熱気をお伝えします。

ライブならではの、場の高揚感もお楽しみにお出かけください。


後半は新井和宏さんを交えて1月末に同行する北海道芽室町視察レポも

お伝えします。

概要

お江戸百年塾2015#1

且田久美さん「配慮に名を借りた差別」


開 催 2月24日(火)

時 間 18:00開場/18:30開演/20:40終演/21:00閉場

行 程

    18:00  開 場

    18:30  且田久美氏  講演

    20:00  対談 且田久美氏×新井和宏氏

    20:40  終演

    21:00  閉 場

会 場 増上寺光摂殿大広間

住 所 東京都港区芝公園4-7-35

参加費 8,000円

受講生感想

昨日になりますが、お江戸百年塾に参加。


ゲストは、食品トレー製造最大手のエフピコの特例子会社であるダックス四国の障碍者雇用責任者である且田久美さん(鎌倉投信の新井さんとの対談あり)。


久々に、今までの自分の中にあった常識が大きく揺り動かされる経験をしました。


エフピコグループの障がい者雇用率は16.1%(民間企業の実雇用率1.76%)。

しかも、ほとんど重度の知的障がい者で、正社員としてフルタイム(一般就労として月額給料118000円)、かつ「食品トレー容器の生産」と「リサイクル」の基幹事業を担う。しかもきちっと儲かっている。

定着率が98%で、自社雇用が難しくなってきたことから、取引先にまで障がい者雇用が拡大。

実際の働く現場の映像も見ましたが、圧巻の手際良さでした。


日本の社会福祉施設を中心とした障がい者雇用の仕組みがいかに非効率なお金の使われ方をしているか。


「『障がい者はできない。だから守ってあげなくてはならない。』は無意識の差別である。」

「障がい者でもできる仕事ではなく、障がい者だからできる仕事。」

この2点が、社会福祉施設を中心とした障がい者雇用に関わる人たちに欠落している。


弱者として見ているからこそ、社会福祉施設での平均工賃月額12695円という低水準を本気で変えようとしない。「お金じゃないから」と言って、「障がい者が働いて生きて行く」と言うことを考えていない。かつ、悪気がなく、本気でそう思っているから始末が悪い。


厳しくも、合理的かつ当事者意識を持たれた発言は、非常に心を打ちました。

ぜひお話を聞いて頂きたい方です。(水野司さん)

もう!

皆さん、何で来なかったの〜?


と、叫びたくなるような、

今日のお江戸百年塾でした。


今回のゲストは、ダックス四国の

且田久美さん!


障害者雇用について、あまり知識がなかった私ですが、また仕事も福祉とは関係がない私ですが、

且田(かつた)久美さん!素晴らしい方でした。


ダックス四国は、

障害者雇用率が16.1%と日本一。

現在、民間企業の実雇用率が1.76%なので、その差は明らか。

それも、ほとんどが重度の知的障害者で、フルタイムで働いているというから、凄い!


社会福祉施設の問題

私たちの意識の問題


いろいろ考えさせられたと同時に、

且田さんが語る話に、

日本の明るい未来を垣間見ることができました。


守りではない、攻めの支援!


障害者でもできる仕事

障害者だからできる仕事


北海道の芽室では、地方自治体を巻き込み、新たなプロジェクトも成功を収めている。


「働く」ということでしか、彼らを変えれない!


実際、仕事を始めたばかりの障害者の方と、今の彼らの働く姿のDVDも見せて頂いたが、言われなければ、彼らが重度の知的障害者には、全く見えないくらい、

その仕事の真剣さ、正確さ、スピードに、驚きと感動を覚えた。


社会を変えるつもりはない。

ただ、彼らが働く姿に興味がある。

と、明るくテンポ良い語り口で、話す且田久美さん。


鎌倉投信の新井さんが横で優しく微笑んでいる中、あっという間に2時間が過ぎていきました。


きっと、また第二弾があるのでは?


会ってみないとわからない!

自分で足を運んでみないとわからない!


お江戸百年塾は、どなたでもご参加頂けます。

次回は、3月25日(水)18時30〜

エアバッグを作り出した、元本田の

さぶちゃんこと小林三郎さんがゲストです。


ご興味ある方はメッセージ頂ければ、詳細をご案内いたします。


学びのチャンスを

つかむも逃すも自分次第。


今回も素晴らしいご縁に感謝いたします。

ありがとうございました^_−☆(鈴木敦子さん)

本当に!こんなに素敵な会なのに!もっともっとたくさんの方に聞いていただきたかった!!(上村久子)

その他感想は、Facebookイベントページ コメント欄参照

講師紹介

≪且田久美氏ご紹介≫「配慮に名を借りた差別」

1974年 高知県出身。高等看護専門学校卒業後、看護師としての職に就かずに営業職を7年経験。出産を機に知的障がい者通勤寮及びグループホームにてサービス管理責任(地域生活)として6年勤務する。生活の場から、日々それぞれの就労先へ送り出す立場を通じて「仕事」というものが、障がい者に与える影響の大きさを実感する。その後、サービス管理責任者(就労)を取得し、2009年 ㈱エフピコの100%特例子会社ダックス四国・福山工場設立にともない、障がい者雇用責任者として着任。グループ350名を超える障がい者の雇用に関わる一方、取引先を中心とした障がい者雇用コンサルタントとしても活動中。


≪新井和宏氏ご紹介≫

鎌倉投信株式会社 取締役・資産運用部長 1968年生まれ、東京理科大学工学部卒。日系信託銀行、外資系運用会社を経て、2008年11月に鎌倉投信㈱を創業。前職では企業年金・公的年金などを中心に、株式、為替、資産配分等、多岐にわたる運用業務に従事。現職では、2010年3月より運用を開始している投資信託「結い 2101」の運用責任者として活躍している。「いい会社をふやしましょう」を合言葉に、障碍者雇用に強みを持つ会社などに投資をする「結い 2101」の仲間(受益者)は、既に8,300人を超えた2014年10月現在)。